潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎の場合、粘血便が初発症状であり、病状の悪化に伴って、下痢、腹痛、発熱などが出現します。粘血便は血液にうみがまじった状態で、トマトケチャップやチョコレートに似た色調を呈します。

下痢は1日十数回にも及ぶこともあります。潰瘍性大腸炎はしばしば自然におさまりますが、再燃・寛解をくり返します。潰瘍性大腸炎の再燃は春・秋に多く、かぜ、過労、精神的ストレスが誘因となり、潰瘍性大腸炎の症状は再発します。

潰瘍性大腸炎は、偶に突然重症の発作が起こり、激しい下痢、高熱、腹痛、腹膜炎を起こすことがあります。このような再発の間は、重態になります。より多いのは徐々に始まる再発で、便意が切迫するようになり、下腹部が軽くけいれんして、便には血と粘液が混じります。

再発は数日から数週間にわたって続き、いつでも再発する可能性があります。潰瘍性大腸炎の炎症が直腸とS状結腸に限局している場合は、便は正常か硬く乾燥している状態になります。しかし、排便中または排便と排便の間に、大量の赤血球と白血球を含む粘液が直腸から分泌されます。

発熱などの全身症状はみられないか、あっても軽度です。潰瘍性大腸炎の炎症が大腸の上の方へ広がると、便は軟らかくなり、1日に10~20回ほど排便します。患者はしばしば重症の腹部けいれんに悩まされ、痛みを伴う直腸のけいれんにより便意を催します。

夜間も症状は緩和しません。便は水っぽく、膿や血液、粘液を含んでいます。しばしば便全体が血液と膿になることがあります。また発熱や食欲不振が起こり、体重が減少します。